2011/7/10

若き料理人の1日を追う

品川プリンスホテル「リュクス ダイニング ハプナ」調理担当 吉村幸修さん
1987年9月生まれ 千葉県君津市出身 千葉調理師専門学校卒業

ランチだけで1日700人が訪れる品川プリンスホテルのキングオブブッフェ「リュクス ダイニング ハプナ」。開店から15年が経過した今も、常にお客さまのニーズを取り入れながら人気を保持している。同店に配属されて4年目の吉村幸修さんは、今年2月に行われた第22回トック・ドール料理コンテストで見事総合第3位に入賞した。
彼の職場にお邪魔し、仕事を見せてもらいながら、トック・ドール料理コンテストを経た今の心境、今後の目標について語ってもらった。

15年経った今もなお、ウェーティングが途絶えない「ハプナ」
15年経った今もなお、ウェーティングが途絶えない「ハプナ」
吉村幸修
吉村幸修

ハプナ勤務も4年目に入り、仕事の段取りが付けられるようになった吉村さん。出勤するとまず、当日のランチの予約表をチェックし、準備を開始。ランチ中は、店内を担当するスタッフからの指示に応じて臨機応変に調理を行う。コース料理の予約が入ると、先輩の指導を受けながら、タイミング良く調理をする。時には、先輩や後輩と談笑しながら、明るく返事をしながら働く姿が印象的だった。

ある日のスケジュール

 10時〜  出勤、朝食片付け
 11時〜  ランチの準備
 11時30分〜  ランチ営業
 15時〜  ディナーの準備
 18時30分  終業
 

 
コースの予約が入ると、先輩と組んで料理を出すタイミングを修得する  

吉村幸修さんに直撃インタビュー
夢は品川プリンスホテルの総料理長

——トック・ドール料理コンテストに出場した理由と、前後で変わったことは?
昨年先輩が出場して、「大変だったけれど、勉強になった」と話しているのを聞いて興味を持っていたところに、総料理長からもすすめられ挑戦した。東京予選で他の選手の仕事ぶりや料理を見て、このままではいけないと思った。本選前の練習会でゴミの量を減らすことと調理器具の使い分けを指導して頂き、以後、仕事でも活かしている。
 
——練習はどのくらいしましたか?
具体的には数えていないが、制限時間内に完成する自信はあった。トップオブシナガワの落合吉紀シェフには、新人コンクールなので、今の力を出せば良いと言われた。自分でオードブル、メイン、デザートすべてを作ること自体が背伸びだったが、オードブルは、ゼリー巻きの技術、メインはブレゼの基礎、野菜の種類によって水分量が違うピューレの作り方、そして一番苦手なデザートは、シェフパティシエの都築徹夫さんに指導してもらって折りパイに挑戦した。決勝の直前までパイが上がらなくて困ったが、決勝では何とかできた。皆は最初に材料を取りに行ったが、人が集中してしまうと思い、自分は調理台の衛生から始めて、きれいにしてから取りに行ったことで、落ち着いてスタートが切れた。
 

——コンテストに出場したことで、自分の中に起きた変化は?
料理に対して、もっと知りたいと思うようになった。同じ舞台で戦った仲間と意気投合し、浅草見物に行ったり、どんなことを考えながら仕事をしているか話せたのが大きな収穫だ。

——自分の良さは何だと思いますか?
人から「いつも笑っているね」と言われる。良い人に出会って今がある。明るく生きていきたい。

——現在の夢は?
衛生的で安全な料理を作り、お客さまに喜んでもらえる料理人になって、将来は、品川プリンスホテルの総料理長になりたい。
 
 

コンクールを経て、調理台、調理器具を<BR>常に清潔に保つことが大事だと痛感した
コンクールを経て、調理台、調理器具を
常に清潔に保つことが大事だと痛感した

画像のサンプル
保存が効く小アジのエスカベッシュを作る
表に出て接客することもある。笑顔でお客さまのオーダーに応える。
表に出て接客することもある。
笑顔でお客さまのオーダーに応える。

品川プリンスホテル
渡邉誠一総料理長からのメッセージ

調理人として大事なことは、人を思う心を持つこと

どのホテルでも同様だと思いますが、人手が足りないため、経験年数が短い人間にもいろいろなことをやってもらう必要があります。そんな環境にいる吉村を見ていると、積極性はありますが、何でもできる気になって、現状に満足している部分があり、それが彼の成長を妨げていると思いました。何かを与えれば伸びるのではと思い、コンテストというチャンスを与えました。結果はどうであれ、彼の料理人としての人生において役に立つと思ったのです。潜在能力を発揮し、挑戦を確実にものにしたことに対し、嬉しさを感じています。
 
調理人として大事なことは、人を思う心を持つことです。ハプナは、1日に千人単位のお客さまが、お一人お一人様々な思いを胸に店を訪れます。そんなお客さまに料理人としてどんなことができるかを考えなくてはなりません。技術的なことは経験を積めば解決できることです。でも、気持ちの部分は意識していないと身に付かないのです。吉村には、そのことを経験してほしくてハプナに配属しています。
 

「総料理長を目指す」と宣言した吉村さんに「俺もあと4年で定年だから頑張れよ」とはっぱをかける渡邉誠一総料理長


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