2013/9/10

ウェスティンホテル東京 レストラン
「ザ・テラス」

ブッフェ評論家 東龍氏、注目のブッフェレストラン

「ザ・テラス」のブッフェ台
「ザ・テラス」のブッフェ台

ウェスティンホテル東京のレストラン「ザ・テラス」がリニューアルしたのは2006年8月1日。リニューアル以降、ブレックファスト、ランチ、デザート(平日のみ)、ディナーと終日にかけてブッフェが行われるようになった。ランチとデザートは連日満席。ディナーはランチと内容も雰囲気も違い、これも評判が高い。メディア露出も多く、知名度も抜群。ブログやクチコミでの評判もよい。毎月訪れる熱心なリピーターもいる。ザ・テラスはブッフェの寵児であると言っても過言ではない。では、一体どこが素晴らしいのであろうか。

魅せる前菜

東京野菜に力を入れており、野菜が新鮮だ。スーパーフード(リンゴ、アボカド、ターキー、鮭、クルミなど25品目の食べ合わせにより栄養価を高めて相乗効果を生み出し、健康を維持・促進する取り組み)にいち早く着目し、ブレックファストブッフェに取り入れている。素材の質にだけ頼っているわけではない。スモークサーモンひとつとっても、ケッパーやレモンを添えるだけではなく、オレンジとディルでオリジナルのソースを作っている。ブッフェ台の見せ方もよい。高めの場所に置いて光を当てているので、鮮度が強調されている。客が最初に訪れるブッフェ台であるだけに、前菜の訴求力は重要だ。

バリエーション豊かな肉料理

本格的な欧風料理が中心であり、肉料理が充実している。ビーフ、ポーク、ラム、チキン、ターキー、鴨といった肉料理がランチやディナーで3〜4種類は用意されているのだ。他に先駆けて何種類ものコンディメントを用意したり、肉に甘い果実ソースを合わせたりしている。総料理長である沼尻寿夫氏は毎日各レストランを回り、必ず肉を一切れは口にするという。質を維持できているのは、こういった積み重ねの結果である。

存在感のあるデザート

デザートの評価が高いので、ランチやディナーの価値をさらに底上げできている。エグゼクティブペストリーシェフである鈴木一夫氏が作るスイーツはブッフェでも一切妥協がない。テイクアウト「ウェスティンデリ」で販売されているものとほとんど遜色がないのだ。デザートブッフェでは、最初に焼き立てスフレの提供を始めたり「スイーツの旅」と謳った世界各国のデザートを紹介するコーナーを設けたりと、現状に満足することがない。

革新的なブッフェ台

沼尻氏の強いこだわりから、リニューアル当時にはまだ珍しかったIHをブッフェ台に取り入れた。安全で安定していることはもちろん、すっきりとして見た目も美しい。デザートアトリエと呼ばれるデザート台は冷気が還流する仕組みだ。ショーケースに整然と並べながら、良い状態を保てる。ブッフェ台にこだわることで、機能性と見た目を高めているのだ。

ブッフェ台の客はブッフェの鏡

ブログやクチコミに記入する客は僅かだ。だが、ブッフェ台にいれば様々なことが分かる。ポーションのサイズが適切かどうか、先を競うように取られるものは何か、あまり出ないのは何故なのか。ブッフェ台に訪れた客の動きや会話から、客の正直な気持ちが分かるのだ。沼尻氏も鈴木氏も徹底した現場主義で、客の側にいる時間が多い。ブッフェ台の生きた声を拾い上げて、新たな価値を創出しているのだ。

東龍
ブッフェ評論家。知識を競う、TVチャンピオン「食べ放題通選手権」で2002年と2007年に優勝。All Aboutの「ブッフェ・食べ放題・バイキング」ガイド。「すみれ草201」(http://www.sumire201.com/)主宰。ブッフェの発展に寄与するべく、テレビや雑誌でも活動中


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