2010/12/21

Vol.5
味の素 食の文化ライブラリー

 食について幅広い、書物、雑誌、DVDが揃っている(財)味の素 食の文化センターの「食の文化ライブラリー」をご存知ですか?都営浅草線高輪台駅から徒歩3分の味の素グループ高輪研修センターの中にあります。食に関する蔵書が約3万5000冊詰まった“知識の宝庫”です。親切なスタッフの皆さんが来館者の要望や質問に応えてくれます。

お気軽にお立ち寄りください!
お気軽にお立ち寄りください!

 (財)味の素食の文化センターは、食文化の研究支援と食文化の普及、啓発のために、1989年に設立されました。研究者対象の食の文化フォーラムを年に3回開催し、内容を書籍化すると共に、シンポジウムで一般の方に情報を発信しています。また、公開講座や食文化誌「vesta」の発行を通じ、広く食文化に対する関心と理解を高める活動を行っています。「食の文化ライブラリー」もその活動の一環として1991年に東京・中央区の味の素(株)本社に開設し、2004年に港区高輪の味の素グループ研修センター内に移転しました。
 館内1階にある蔵書数3万5000冊の食の文化ライブラリーは、研究者、学生、社会人、料理人、主婦に幅広く利用されています。料理書はベストセラーであっても絶版になるものが多いので、古書店を回るなどして、年間約1500冊購入しているそうです。事務局長の飯田祐史さんから、「料理のレシピ本など重くて高価な本は最優先で購入していますので、是非役立ててください。『こんな本はないの?』と私たちが気付かない蔵書のアドバイスをして頂けると助かります。ご要望がありましたら購入しますのでおっしゃってください」との嬉しいメッセージを頂きました。

フランス料理書は原書、翻訳書共に充実
 特に充実しているのがフランス料理の古典料理書の棚です。1930年代に料理人であるプロスペール・モンタニエが著した世界初の料理百科事典『ラルース・フランス料理百科事典』は料理だけでなく、ワインやチーズの事典があります。昭和時代に発行されたフランス料理の本はほとんど揃っており、パテ、サラダ、オードブルといった料理別や食材別目的の本を手に取って学ぶことができます。また、ミシュランで星を獲得しているレストランのレシピ本も豊富です。ワインは国別に分かれています。
 スタッフは司書4人と食の研究者、調理学を学んだ方と多彩で皆さん食に関心をおもちです。蔵書検索は財団のホームページでもライブラリー内のパソコンでも検索できます。持ち出し禁止の本はコピーをとることができます。スタッフのお一人、東四柳祥子さんは、「図書館は、来館者の方とスタッフが一緒に作っていくもの。ニーズを聞いて利用者の方に還元して行くのが理想的です」と笑顔で語ってくれました。

雑誌は54種類、DVDの視聴もできる
 館内は、国内外共に食文化、調理、食材の書籍を始め、郷土料理、精進料理、化学的な調理学、栄養学、外食産業、外国語資料、民俗学など分野別に分かれています。カギを掛けた古書戸棚の中には日本における食の歴史が書かれた貴重な書物が並びます。1つのテーマについて調べたいと思った時、ここに来れば一網打尽です。
 雑誌は一般誌『dancyu』誌から専門誌『専門料理』まで54種類あり、書籍と雑誌を併読することで、古典料理から現代の潮流まで一望できるのが魅力です。マンガ『美味しんぼ』や『神の雫』もありますので、仕事の息抜きにも利用できます。
 2階の「食とくらしの小さな博物館」は、約30分間で味の素の歴史100年を軸に、食と世相の変遷を学ぶことができます。25年刻みで4区分の食卓の様子が展示されています。またライブラリーの古書やオリジナルの錦絵を活用した企画展を行うこともあります。
 「食文化と言うと堅苦しいのですが、食を学ぶと生活すべてが豊かになりますし、新しい発見もあります。書庫に雑誌のバックナンバーもございますので、お気軽にお声掛けください」と主任の和田道子さん。
 コンクール前に写真や文字、または映像を見たり、料理人のエッセーを開いて生き方のメッセージを受け取ったりと、1日いても飽きません。会員登録料は100円、貸し出しは3冊まで2週間借りられます。都営浅草線高輪台駅から徒歩3分、JR品川駅からは徒歩15分で散歩感覚でも行けます。是非一度足を運んでみてください。きっと目からウロコの新たな世界が開けるに違いありません。

味の素グループ高輪研修センター内に立地
味の素グループ高輪研修センター内に立地

味の素 食の文化ライブラリー
東京都港区高輪3-13-65 味の素グループ高輪研修センター内 
電話/03-5488-7319
開館日・時間/月~土10時~17時
休館日/日・祝日、年末年始(2010年12月28日~2011年1月5日まで)、図書整理期間(2011年1月24日~1月29日まで)
http://www.syokubunka.or.jp






ホームへ先頭へ前へ戻る