2013/10/10

食材仕入れの極意と、店での仕込みを学ぶ!!

ビストロレ・ヴァン 白土禎二オーナーシェフ

これまでにレストランウエディングを含み、5日間で述べ500名分の料理、ケーキ250個を作ったこともある「ビストロレ・ヴァン」の白土禎二オーナーシェフ。想像を絶する仕込みを可能にするのが新調理システムに基づく厨房機器を揃えたオール電化厨房だ。キャッツ2人は、毎週土曜日に築地場内市場で仕入れをし、仕込みをする白土シェフに密着した。

朝8時半、築地場内市場で珍しい野菜を発見

白土禎二シェフの後について、築地場内市場からスタート。参加者のイタリアンレストラン コルシカの川端京太さん、銀座イタリー亭の福田祥司さんはいずれも独立し、イタリア料理店をオープンする目標を持っている。築地市場は初めてという二人のドキドキ感が伝わってくる。
まず向かったのは政義青果。「ここはバランス良く野菜の種類が揃うんだよ」と白土シェフのお墨付き。続いて万文へ。イタリア野菜スティッキオ(フィノッキオの改良版)やパステルカラーのカクテルラディッシュやマイクロサイズのトマト、ダイコンなど珍しい野菜が並んでいる。川端さん、福田さんは、ほおずきを初めて食べて、ココナッツミルクのような甘みにビックリしていた。

活気あふれる鮮魚売り場へ突入!

「さあ! 次は魚を買うよ!」と白土シェフに連れられ、荷物を運ぶターレットトラックの間をくぐり抜け、鮮魚売り場を見て廻る。週に1回土曜日に必ず市場に顔を出す白土シェフは親しい店が多く、歩きながらもいろいろな人に「シェフ、いい魚入っているよ!」と声を掛けられる。
白土シェフはある程度メニューを決めて市場に向かい、翌週の宴会の人数や予算を考えながら購入を決める。まずはシーラに目を付けた。宴会でムニエルにする予定だそうだ。ワラサ、メダイ、水ダコ、カツオ、蛤など旬の食材を迷いなく次々に買って行く。白土シェフは、1回の仕入れに使う金額は3万円までと決めている。自家用車に戻ると、各店からの食材が山のように積まれていた。買ったものだけでなく、おまけも相当あるようだ。

仕事は速く、丁寧に。魚をいじめちゃいけないよ

仕入れを済ませ、11時に店に到着。白土シェフは二人を厨房に呼び、真空包装機、ブラストチラースチームコンベクションオーブン、電化厨房の説明をしていく。真空パックされた食材が積み込まれた冷凍庫を見て、二人は驚く。「冷凍庫の中は財布だと思っている。月末に棚卸をしている」と白土シェフ。TOSEI東京支社の荻野耕次支社長が、新製品で、温かいまま真空パックできるホットパック機の説明をしてくれた。従来の真空包装機はブラストチラーなどで冷やす必要があったが、温かいまま真空パックできるので作業効率が上がり、油分の分離が少なく、風味が保てるという。

福田さんは福島工業フーズコンサルタント室の田本景子室長からブラストチラーの説明を受けた後、白土シェフからマンツーマンで魚の卸し方を教わった。普段店で魚を卸している福田さんだが、さすがにシーラやメバルといった大型魚を卸した経験はない。白土シェフが魚種によって卸し方を変えているのを見て「スゴイ、しかも速い」と感嘆していた。「短時間でどれだけ仕上げられるか。それはホテル時代に鍛えられたね」。白土シェフは、カツオを吊るして縦に包丁を入れる大名切りなどを実演し、「荒海にもまれた魚は背びれが立っている。何かあると砂にもぐるカレイやヒラメなどは平たい。魚の骨格からどう卸したらいいかを考えるんだ」と福田さんに伝授していた。

15時に食べた賄いは、築地で仕入れた魚の海鮮丼。食事しながら白土シェフのお話をたっぷり聞いた。参加した福田さんは、「白土シェフがいろいろなことを考えていることが分かり、とても刺激になりました。築地場内市場もとても面白かったです。また行ってみたいと思います」と目を輝かせていた。

白土禎二シェフ
白土禎二シェフ

プロフィール
都ホテル東京料理長を経て、レストランアドバイザーやメーカーでの商品開発を経験後、2007年に「ビストロ レ・ヴァン」をオープン。マダムの宏子さんが調理補助、息子の勝功さんがホールマネージャーを務める。

「ビストロ レ・ヴァン」
東京都港区西新橋2-9-1 エフジーレックビル1階
TEL:03-3593-0800

協力/
ビストロ レ・ヴァン、(株)TOSEI、福島工業(株)、(株)フジマック、(株)マルゼン


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