フレンチファインダイニング「シグネチャー」

シェフ　ニコラ・ブジェマ

私は5歳の頃から特にはっきりとした理由はありませんでしたが、シェフになりたいと思っていました。思い返してみると、母は料理が上手でしたし、家族でよくレストランへ行って美味しい料理を食べていたので、それが関係していたのかも知れません。
学校に通いながら、地中海料理のレストランでは魚料理、冷菜、デセール、肉料理と様々なセクションを経験し、トゥールダルジャンでは温菜のセクションで基本をしっかりと教えてもらえて、とてもためになりました。

卒業後、パリで働いているうちに、だんだん他の世界を見てみたいと思うようになりました。
21歳の時に決心して、ジュネーブにあるインターコンチネンタル ジュネーブで働くことにしました。大規模なホテルだったので、5000人規模の宴会からルームサービスまで様々なことを経験しましたね。そこではホスピタリティをしっかり学べ、この時にホテルマンとはどうあるべきかを理解したので、今の私があると思います。
その後も数々のレストラン、セクションを経験し、クラシックからモダンまで様々な料理を作る機会に恵まれました。

マンダリン オリエンタル 香港のピエールでシェフを務めた後、フレンチファインダイニング「シグネチャー」でシェフとして働くチャンスをいただきました。以前から東京にも行きたかったので承諾しました。マンダリン オリエンタル 東京は素晴らしいホテルです。将来的には農家や漁師から直接購入できる食材を増やせるようにしたいですね。

今はミシュランガイド1つ星を獲得していますが、2つ星までにはまだ道程があると認識しています。ただ、1つ星の中では2つ星に近い方だと思って日々励んでいます。遠い将来はヨーロッパに帰って自分のレストランを持ちたいですね。その前にさらに経験を積むため東京以外のアジアのマンダリン オリエンタルでも経験を積みたいです。今から10年前に、10年後はこうなっていたらいいと考えていたことが今叶えられているので、今から10年後も同じようにうまくいくと信じています。