2018/2/20

オージービーフセミナー&試食会

ブラックアンガス・ロングフェッドの旨さと賞味期限100日の安全性に迫る

オージービーフの品質、高い安全性はすでに周知のことだが、今回はブラックアンガスのロングフェッドにフォーカス。清水孝之介氏がカッティングセミナーを行いながらその美味しさと各部位の使用用途を指南、シンフォニーのシェフたちが贅沢なメニューを展開した。

清水孝之介氏
清水孝之介氏

ブラックアンガス・ロングフェッド「大麦牛」はカロリーの高い穀物を与え、約200日の飼育日数をかける最高級品。ショートやミドルに比べてキメが細かく、脂の質や香りも秀逸である。特筆すべきは100日もの賞味期限。約6000ヘクタール(山手線の内側に相当する)に及ぶ牧場での飼育、最先端の衛生的な生産ラインでの徹底的な品質管理によって実現した。清水孝之助氏は「ロンググレインは筋肉の間に脂が入ってしまうので歩留まりが悪いが、それを上回る価値のある肉」だと絶賛する。肉のキメが細かいので、焼肉用でもステーキ用にできるほど、ワンランク上のメニューが叶う。高かったとしても最終的にバリューのあるメニューが生まれてくる。

シンフォニー考案のメニューも、和洋中にタイ料理も盛り込んでバラエティ豊か。肉の味を引き立てる料理が並んだ。この食材にインスパイアされたからに違いない。「霜降りだとおそらく半分も食べられないだろう。やわらかくて和牛のようなのに赤身なので食べやすかった」という声も相次いだ。

【カッティング・取り扱いのポイント】

●真空包装でウェットエージング(熟成)されているので、たんぱく質がアミノ酸に変化し、美味しさと香り風味が増す。一方、エージングが進んでいるのでドリップが出る。ドリップも表面のバクテリアもきれいに取り除くために、ミートペーパーで表面を押さえる。水分を暴れさせないよう、こすらずにやさしく。
●酸化が進んでしまうので、肉と野菜を一緒に入れない方がベター。
●油を下にして冷蔵庫に入れない。逆にブロックにした後は油を上に。乾いているので、もうドリップが落ちないため。
●肉は性格の違う筋肉の集合体。質を一定にするために小分けにする。そうすることで、肉質ごとに最適な調理法を選ぶことができる。
●固くならないよう、肉の繊維に対して直角に切る。ボーラブレード(肩三角)とアウトサイド(外もも)のみ、並行に切ることでやわらかくなる。
●脂は程よくつけることで香りを楽しめる。
●ステーキカットをベースに、ソテーカットも使ってバリエーションをつける。

【おすすめの調理法】

(1)クロッド(肩のやわらかい部位)
ステーキに最適。非常にやわらかいので、端もカットステーキなどで使える。
食べた時の食感が良くないので、脂と一緒に血管も取る。取り除いた脂はハンバーグなどに入れると良い。仕分けをすると必ず副産物が出るので、できるだけ活用したい。
(2)肩の硬めの部分
運動している部分なので筋繊維が太く、脂は筋のように硬くなっている。コラーゲンなので加熱すると良いため、シチューや煮込みに。またエネルギーが必要な部分なので太い血管も多い。丁寧に取り除くことで食感が全く違ってくる。
(3)ボーラブレード(肩三角)
味が濃いにもかかわらずやわらかいので、ローストビーフにおすすめ。
(4)オイスターブレード(ミスジ)
筋が入っているので縮みやすいが、時間をかけると絶品のステーキに。
(5)チャックロール(肩ロースの芯)
筋にコラーゲンが詰まっているので、美容にも良い部位。ローストビーフ、バーベキュー用ブロック、ステーキ用まで幅広く使える。下部は目の方向が違うため、チャックフラップ(ザブトン)に分ける。これによって、部位の味が引き立つ。

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【お問い合わせ】
MLA豪州食肉家畜生産者事業団
東京都千代田区有楽町1-7-1
有楽町電気ビルヂング南館10F
TEL:03-4589-0075 FAX:03-4589-0086


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