2018/3/20

新潟県産米粉を使ったグルテンフリーメニュー

米粉だからこそのメニューを

今回、米粉を使用するにあたり一番重要視したのは「おいしいこと」です。過去を顧みた時、私が米粉を使用した理由は「グルテンフリー」、要するに小麦が召し上がられない方への代用品でした。また話題性から使用したというのが正直なところです。
作り手がこのような認識でいる限り、健康志向の方あるいはアレルギーの方専用の食品になってしまいます。食べ物はおいしいのが大前提、プロが作る料理には感動が生まれなくてはいけないのです。私たち「食のプロ」が、代用品ではない米粉独自の利点を生かした米粉ならではのおいしさを作り上げていけば、今後の普及と展望が描けるのではないでしょうか。
 

米粉パン

米粉パン
米粉パン

米粉ならではの白さをねらったオーソドックスなものにしました。これをベースに、抹茶など粉末状のものや醤油などの調味料を加えることでバリエーションに富んだ米粉パンを作ることができます。米は粉砕しても栄養価が損なわれることがないので、ご飯が苦手でパンで朝食を摂る方も受け入れやすく、また栄養価と腹もちが良いという利点もあるのではないでしょうか。
《たいまつ食品 米粉パン用ミックス使用》

米粉中華麺

通常の中華麺と比べ、この麺の特徴に味や香りがないことが挙げられます。ないといってもけっして欠点ではなく、繊細なスープの風味を損なわないという利点なのです。このため通常の中華麺の代わりに米粉麺を使うのではなく、中華麺の香りでは生かすことのできないシンプルで上質なスープでの提供がおすすめです。
《孫作 米の麺使用》

米粉中華麺
米粉中華麺

米粉スパゲッティー

米粉スパゲッティー
米粉スパゲッティー

どのようなソースでも使えますが、小麦のスパゲッティーから米粉製品に代えたところでグルテンフリー代用品の感は否めません。この米粉麺も米である利点を生かすことを考えました。和の食品には米が合うのです。そこでたらこを使用し大葉と刻み海苔をあしらったところ、トマトソースなどに比べ抜群に相性が良かったのです。
《孫作 米の麺使用》

米粉のロールケーキ

メーカーのレシピを使用しました。これに関しては小麦の代用品としての使い方ですが、ひと昔前の米粉は上新粉のようで、ケーキを作れるようなものではありませんでした。メーカーの努力によって品質が格段に進歩し、プロでも使いやすいものになっています。またグルテンアレルギーの方は小麦を使用したお菓子が食べられないなど甘いものにも制限がありますが、これだと安心して食べて頂けます。
《たかい食品 新潟県産米粉KSJ2K10使用》

米粉のロールケーキ
米粉のロールケーキ

【お問合せ先】
新潟県農林水産部食品・流通課
TEL:025-280-5427

米粉の実力

新潟県は米粉先進県として、他県に先駆け日本での米粉普及に注力してきた。日本有数の米どころとして米にかける思いは強く、米菓産業で築き上げた技術力も追い風となった。従来の米粉は団子や餅などには適していても小麦粉と比べると粒が大きく形状が粗いので、パンやケーキ作りには不向きとされていた。そのため県の食品研究センターが中心となって研究を重ね、微細製粉技術「二段階製粉法」や「酵素処理製粉法」を開発。また、低アミロース米を使用した米粉による食感改良、米粉の乾麺製造技術など、小麦に代わる食材として通用する技術を次々と生み出してきた。パンや麺に使えばもちもちの食感に、揚げ物の衣に使えば軽くてヘルシーに。そして何より、「新潟県産の米を使った米粉はお米の風味が違う」とメーカーも自信を持つ。松山シェフが作り上げたのも、まさに新潟産米粉のおいしさが感じられるメニューだ。


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