2018/7/20

玄米の構造と「つやみがき米®」

お米の話 連載6

(株)龍の瞳 代表取締役 今井 隆

私たちが食べているお米は、もとはと言えば稲が自らの子孫をつなげていくために作り出した種です。私たちは稲の命をいただいて、自らの命を永らえているのです。

籾(もみ)、玄米、白米
籾(もみ)、玄米、白米

籾殻は、もともとは花びらです。ガラス質が多く含まれており、高・低温や病原体、害虫から種子を守っています。籾摺(もみす)りにより籾から籾殻を取り除いたものが玄米、それを精米したものが白米になります。
玄米は、このような構造になっており、通常私たちは白米(胚乳)を食べています。

玄米のイメージ
玄米のイメージ

胚芽は芽と根のもとになる重要な部分なので特に栄養分が多く、糠層には酵素がたくさんあり、胚乳の澱粉を溶かし栄養素として芽と根に送る仕組みができています。

白米の搗精(とうせい)歩合について、例えば八分付きとは、胚芽(3%)と果皮(4%)、種皮(1%)の計8%を取り除いた精米なのです。白米は、デンプンのみで構成され、玄米から10%が取り除かれています。分付きで言うと十分付きになります。

弊社の「つやみがき米®」は、精米技術により表皮の果皮中の外側の部分であるロウ成分をほぼ取り除いた商品です。八年ほど前に商品化して、国民食にしたいという願いを込めましたが、このところようやく注目されだしたかな、というところです。

「龍の瞳つやみがき米®」には次のような特徴があります。
(1)1~2分付きなので、消化が良く、ミネラルや食物繊維などの栄養分をとれます。
(2)吸水性が良いので、普通の炊飯器で浸漬時間がなくても炊くことができます。
(3)歯ごたえがあり、ご飯を噛む回数が増えるので、顎が丈夫になるとともに頭の血流が良くなります。また、長く噛むことで、満腹感が得られ自然に肥満を防ぐことができます。

さて、稲作を始めた後期縄文人は、杵と臼を使って籾を擦り合わせて籾の中から玄米を分離していたと考えられます。同時に玄米も擦れて果皮に傷がたくさんついたので、吸水性もよく、ある程度美味しかったと推測されます。

現在のような白米食はいつごろから普及したのでしょうか。一説には江戸城の大奥からと言われています。玄米を細い容器に入れ何度も棒などで突っつけば、そのうちに白米になります。確かにその方が美味しいのですが、一般庶民は、食べられる量が減ることや栄養的な問題で、白米食は実用的ではありませんでした。 
水車などを利用した、籾摺りと精米の機械が導入され、江戸では侍などの上流階級が白米を食べるようになりました。
しかし、地方から来ている侍などは米糠の中に含まれるビタミンB1欠乏が原因の脚気になり、「江戸患い」と言われたとのことです。

時は巡り、最近は玄米食が注目されてきました。「龍の瞳」は、玄米食のために生まれてきたような稲だと、改めて思います。

今井隆さん(代表取締役)
今井隆さん(代表取締役)

株式会社 龍の瞳
岐阜県下呂市萩原町大ヶ洞1068
TEL:0576-54-1801 FAX:0576-54-1836
http://www.ryunohitomi.co.jp


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