2020/3/19

神楽坂 kéké(ケケ)

Member's Restaurant 多摩・町田支部

神楽坂の路地裏、小栗横丁に昨年末新しいビルが建った。「kéké(ケケ)」は、すべて飲食店が占めるこのビルの一角にある。山本健太シェフは、この場所から歩いて30秒ほどのビストロで2年を過ごし、1年間の充電期間を経て念願となる自身のレストランをオープンした。店名の「ケケ」はフランス語のスラングで見栄っ張り・目立ちたがりといったネガティブな意味をもつが「だからこそ人間っぽい。シャレの意味も込めてつけました」と話す。18席の店内はカウンターとテーブル席で構成され、現在パティシエと2人で切り盛りする。

充電期間中には星つきレストランで研修をしながら、素材探しにも没頭。ワインにこだわりたいとソムリエの資格も取得。地元である山梨・勝沼でお気に入りのワインを見つけ、フランス産と合わせて多くを揃える。「作りたい料理とワインの相性が合いやすくなった」と実感しているそう。料理は「よりシンプルになった」。たくさんのパーツは使わないが、意味のある組み合わせを考案している。

ビストロ料理の定番、フレッシュな魚介類を堪能できる「フリュイ・ド・メール」はお手軽なワインと一緒にワイワイと楽しんで欲しい一品。自家製の「シャルキュトリー」も自信作だ。クラシカルな「和牛ホホ肉の煮込み」は、寒い季節の身も心もあたためてくれそう。山梨の牧場地域・清里から届く濃い牛乳のプリンもおすすめだ。

幸運なことに、以前の常連さんたちも通ってくれているという。「前の店のオーナーは独立支援に前向きな方で、気持ちよく送り出してもらった。自分も人を回せる営業システムが作れれば」。いい辞め方について、ずっと考えてきた。「35歳より下の人たちって、働き方を模索していると思うんです。お互いのメリットになる辞めた後のつながりが構築できるような、コミュニケーションのとれるオーナーになりたい」。

町場は特に個人の考え方が強く出る。流れも早い。「カウンターでお客さんと対面していると、お店のシチュエーション分けをされていると感じます」。だからこそ、もっと成長しなければと気を引き締める。神楽坂は特に「今日はあの人のところに行こう」という思考が強い地域だと感じている。「技術はもちろん、お店としての価値を高めていく努力が必要」。何を食べるかより、誰の料理を食べたいか。その問いに応えたいと、キッチンに立つ。

kéké(ケケ)

東京都新宿区神楽坂2-21-5 小栗横丁ビル1F
営業時間
【月・火・木~土】17:00~25:00 (L.O.24:00)
【日・祝】17:00~24:00 (L.O.23:00)
定休日:第一火曜・毎週水曜
TEL:03-5946-8464


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